【最新】厚生労働省統計に基づく理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給与の実際

理学療法士（PT）、作業療法士（OT）、言語聴覚士（ST）はリハビリテーションの専門職です。

それぞれ厚生労働省が実施する国家試験に合格する必要があり、資格試験を受けるために養成課程のある大学や専門学校などの養成校で3年以上学び、必要な知識と技術を身につけることが必要です。

この記事では、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」に基づくリハ職の年収などを解説します。

この記事を読めば、リハ職の給与の水準や昇給の程度が分かるようになります。

この記事でわかること

・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給料相場
・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の昇給

是非、最後まで記事を読んでみてください。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給料相場

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の給料相場を他職種と比較しながら確認していきましょう。

他職種との比較

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」では次のような結果が出ています。

（こちらから更に詳細なデータをダウンロードできます）

	PT・OT・ST	看護師	准看護師	介護職員
年齢（歳）	36.2	43.6	51.0	43.6
勤続年数（年）	8.1	10.0	13.6	8.7
給与額 （万円）	29.8	34.2	29.1	26.8
年間賞与など（万円）	69.4	75.6	64.8	58.8

このデータから、リハ職の給与は看護師より低く、准看護師と同程度、介護職員よりは高いということが分かります。

ただし、見ていただきたいのはそれぞれの職種の平均年齢で、リハ職は最も低く、看護師と7.4歳の差があります。

年齢が高い方が昇給や昇格などで給与が増えている可能性があるので、これだけではリハ職の給与が他職種と比べてどうかの判断はできません。

各職種年齢層別比較

同じく厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」からのデータです。

※単位は万円です。

	PT・OT・ST	看護師	准看護師	介護職員
20～24歳	給与25.0 賞与29.1	給与28.4 賞与38.7	給与21.1 賞与23.8	給与23.6 賞与37.7
25～29歳	給与26.8 賞与61.6	給与32.0 賞与62.2	給与26.6 賞与46.3	給与25.5 賞与56.6
30～34歳	給与28.5 賞与70.7	給与31.5 賞与65.1	給与26.5 賞与42.8	給与26.5 賞与60.5
35～39歳	給与30.8 賞与77.8	給与31.9 賞与66.5	給与28.3 賞与61.8	給与27.9 賞与65.6
40～44歳	給与31.9 賞与75.8	給与34.4 賞与79.8	給与28.6 賞与64.1	給与28.9 賞与71.6
45～49歳	給与33.1 賞与88.3	給与36.1 賞与90.0	給与31.1 賞与70.3	給与28.8 賞与68.1

年齢層別の給与を比較したときに、給与が高い順に、看護師、リハ職、准看護師、介護職員であることがわかります。

リハ職の昇給率はそれぞれ前の年齢層と比べ、25～29歳で107.2％、30～34歳で106.3％、35～39歳で108.0 ％、40～44歳で103.5%、45～49歳で103.7％です。

20～49歳にかけて月給約8万円の昇給がありますが、40歳以降になると徐々に昇給率が低下してしまいます。

また、看護師と比較すると同年代の給与・賞与は低い傾向です。

介護職員との比較では、最初はあまり大きな差が見られませんが、年齢が増すごとに差が大きくなります。

つまり、介護士に比べるとリハ職は昇給率が高いと言えるでしょう。

リハ職の男女別比較

同じく厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」からのデータです。

（こちらから更に詳細なデータをダウンロードできます）

※単位は万円です。

経験年数計	男女計	男性	女性
平均	給与29.0 賞与69.4	給与29.9 賞与69.6	給与27.8 賞与69.1
0年	給与25.1 賞与1.8	給与25.2 賞与1.8	給与24.9 賞与1.9
１～4年	給与25.7 賞与58.7	給与26.2 賞与58.5	給与25.2 賞与58.9
5～9年	給与27.4 賞与68.4	給与28.2 賞与70.6	給与26.0 賞与64.6
10～14年	給与29.7 賞与79.7	給与30.9 賞与80.6	給与27.5 賞与78.1
15年以上	給与33.4 賞与94.5	給与35.7 賞与91.3	給与31.3 賞与87.8

リハ職の男女では給与、賞与に差があり、経験年数が増加するごとにその差は開いていきます。

具体的に、経験年数0年と15年以上を比較すると男性の昇給率は141.7%ですが、女性の昇給率は125.7%です。

これは他業種でもそうですが、リハ職においても女性に比べ男性の方が役職に就いている割合が多いことを表していると思われます。

また、女性が産休や育休に入った場合、その期間は昇給がないことも給与に差が出る要因として考えられます。

業種別比較

最後に他業種との比較をしてみましょう。

同じく厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」からのデータです。

（こちらから更に詳細なデータをダウンロードできます）

	PT・OT・ST	専門的・技術的職業従事者	事務従事者	販売従事者	サービス職業従事者	保安職業従事者	農林漁業従事者	生産工程従事者	輸送・機械運転従事者	建設・採掘従事者	運搬・清掃・包装等従事者
年齢（歳）	36.2	41.8	43.2	41.0	43.0	51.6	46.6	41.7	50.6	42.2	47.0
勤続年数（年）	8.1	11.1	12.7	11.9	8.9	10.0	12.6	13.1	12.0	12.9	10.8
給与額 （万円）	29.8	37.6	31.9	33.5	26.6	26.6	26.6	30.1	34.7	34.9	26.6
年間賞与など（万円）	69.4	99.4	93.6	86.2	49.7	30.8	63.8	78.6	44.1	97.8	45.8

全業種で平均年齢が40歳を超えているので一概には言えませんが、リハ職の給与は他業種と比べて中央よりやや下に位置します。

サラリーマンの給与はで平均31.8万円（令和5年賃金構造基本統計調査に基づく）なので、、リハ職の給与はサラリーマンの平均より低いと言えます。

まとめ

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハ職の平均給与は29.8万円、平均賞与は69.4万円です。

リハ職の昇給率はそれぞれ前の年齢層と比べ、25～29歳で107.2％、30～34歳で106.3％、35～39歳で108.0 ％、40～44歳で103.5%、45～49歳で103.7％です。

男女比では給与・賞与ともに男性の方が高く、昇給率も男性の方が高いという結果でした。

サラリーマンの給与はで平均31.8万円（令和5年賃金構造基本統計調査に基づく）なので、、リハ職の給与はサラリーマンの平均より低いと言えます。

是非、今後のキャリアを考える上での参考にしてみてください。

おまけ

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